『日本九峯修行日記』は、佐土原藩の真言宗安宮寺の住職であった泉光院・野田成亮翁が、文化9(1812)年から文政元(1818)年までの6年2ヶ月にわたる九峯修行の旅の途中、各地の政治・人情・地理・風俗等を記した日記です。
同日記は、野田泉光院の孫にあたり、また杉田文庫の創設者である杉田直氏が筆耕解読され、昭和10(1935)年に刊行されています。後に杉田直氏の長男正臣氏は、その蔵書とともに『日本九峯修行日記』(全六巻、うち第三巻欠巻)も当館に寄贈され、現在貴重書庫にて保管しています。昭和55(1980)年に民俗学者宮本常一氏が『野田泉光院 旅人たちの歴史1』(未来社)を刊行し、内容を簡潔に紹介しその業績を称えたことから、史料的価値が全国的に高まりました。
『野田泉光院肖像画』(杉田文庫)本館蔵
野田泉光院『日本九峯修行日記』(一部)(杉田文庫)本館蔵