瑛九(本名 杉田秀夫 1911-1960)は宮崎を代表する画家です。
瑛九の生前、県立図書館では瑛九の作品展を行ったり、瑛九デザインによる壁画が飾られ(後に火事で焼失)たりしていました。さらに没後は瑛九と親交のあった第23代図書館長中村地平の夫人が瑛九の作品『田園B』を寄贈し、その作品が県立図書館に展示(現在は県立美術館蔵)されている時期もありました。
また、県立図書館には、1985(昭和60)年から1988(昭和63)年にかけて、瑛九の生家杉田家の持つ医学古刊本・文学・エスペラント・静坐関係、郷土資料、連歌・俳諧資料など貴重な文化資料が寄贈されています。この杉田文庫の創設者は、瑛九の父親、杉田直(なお・俳号は作郎)氏、寄贈者は瑛九の兄、正臣氏でした。
瑛九の父、眼科医の杉田直氏は俳人としても知られ、祖先にあたる野田泉光院の修行・見聞録『日本九峯修行日記』を活字化した業績もある人物ですが、寄贈された杉田直氏自身の日記には、幼少期の瑛九が過って五十銭銀貨を飲み込み喉を痛めたエピソードが記されています。
このように県立図書館と瑛九の生家、杉田家の縁は深いものがあります。
そこで、令和3年の瑛九生誕110周年を記念した県立図書館と県立美術館の展示にあわせ、一般の方から募り、二つの展示を観覧後、文献や視聴覚映像、Web情報等で瑛九のことを調べ、最終的にホームページに発表する「瑛九さんのヒミツ」を実施しました。参加された方は初めて郷土画家瑛九について知る方がほとんどでしたが、調べる過程で人間瑛九に魅了されていったようでした。
参加者の皆さんがそれぞれテーマ毎に調べた瑛九さんの紹介ページができました。どうぞこちらをご覧ください。